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「連携型施設増加策」「歯科医師研修医のPR」等の意見について
投稿者:訪問歯科119番
歯科専門職の資質向上検討会(座長=大塚吉兵衛・日本大学学長)の第2回会合が 12 月18 日、
経済産業省で開催され。歯科医師ワーキンググループ、歯科技工士ワーキンググループのそれぞれの
報告書(たたき台)について議論を重ねた。今回、歯科医師ワーキンググループと
歯科技工士ワーキンググループの報告書についての議論を歯科医師・歯科技工士に分けて紹介する。
歯科医師ワーキンググループ報告書については、事務局から「臨床研修施設の在り方」「指導・管理」
「その他」について、現状、課題、見直しの方向を概略説明があった。
特に今回、議論になったのは、課題として臨床研修修了者アンケートから指摘されていた
「症例の偏りや極端に少ない事例がある」、研修修了判定における「必要最低限の症例数等を示すべき。
一方で、症例数だけでなく、症例内容か研修の質についても議論すべき」とするもので、“症例数・内容”に
ついて各委員から意見が出された。
「臨床数がある程度必要というのは理解できるが、ただ症例数というも問題で、その内容が問われる
のではないか。要するにそのバランスが重要ではないか」「症例内容を検討して選択するというのでは、
前に進まない。ある程度症例を経験する中で、内容・臨床技術も向上していくものだと、
40 年の臨床経験から言える」「資料を拝見して、臨床数・内容にバラツキがあると指摘に驚きました。
やはりある程度の基準は必要ではないか」など歯科医師の質を問う根本的な事柄への問題点が
クローズアップされた。
見直しの項目に上がっていた、「研修内容等を研修プログラムごとに明記する」となっていることに、
委員から「具体的に、どのような内容を、どの程度行うなどを明記されることを期待したい。
これからの医療は内容が“見える化”の流れになっている」と具体的な研修内容を明記する意見が出された。
また、“臨床研修施設”の項目になると、平成 23 年度歯科医師臨床研修制度見直しによって
「連携型臨床研修施設(要件:常勤歯科医師一人)」が取り上げられた。
事務局は「この連携型施設が制度として浸透せず、現在まで4施設しかない」とし課題を抱えていることを
示し、その対応・対策に新たな意見を求めた。
「大学の立場からすると、一人の常勤歯科医師の要件ですが、中には専門医が周1回などの診療所があります
ので、この制度は有効だと思う」「確かに歯科大学や都市部という地域では、複数の歯科医師が非常勤として
いる診療所もあり連携はしやすいが、残念ながら地方ではそのような状況ではないということも理解する
必要がある」などの意見があった。
対応として、施設の申請手続き等の煩雑さを改善することも指摘された。
一方、研修医自体が社会に知られていない現実を問題視され、「医師はテレビドラマなどで“研修医”の存在が
知られている。歯科医師も研修医がいることをPRすべきではないか。
その結果として、患者からも理解を得ることができるのではないか」とする意見に、委員からも賛意する
声もあった。
最後は、従来からの課題である歯科医師の偏在の問題。
事務局が「歯科医師臨床研修の募 集の 80%以上が歯科大学病院に依存している現実を示しながら、
歯科大学付属病院のある都 道府県に研修歯科医師が集中している」と報告し、解決策は容易でないことは
以前から指摘 されていたことを踏まえて、「厚労省の政策失敗で、責任は厚労省にある」とすると辛辣な
意 見が出された一幕もあった。
「優秀な臨床研修歯科医の採用し、国家試験による定員の空席を抑えるためマッチングの 面接で、
歯学部の学生に行なっている CBT、OSCE 等を参考にしてどうか」という指摘があ ることについて、
各委員から「CBT、OSCE の結果と国試合格には相関関係があるかもしれ ないが、2年前に行なった
試験の結果だけを判断して選択するのは疑問」「そのような判断は、 学生に可哀想で、好ましいことではない」
「その後、頑張った学生もいるので、その点も考慮 してあげないと」と否定的な意見が続いた。
こうした意見を踏まえて、事務局はあと2回の会議を踏まえ、3月末には報告書を作成し ていきたいとする
今後の予定を明らかにした。
【歯科専門職の資質向上検討会委員】
座長=大塚吉兵衛・日本大学学長、委員=俣木志朗・ 日本歯科教育学会理事長、
金澤紀子・日本歯科衛生士会会長、小森貴・日本医師会常任理事、 末瀬一彦・全国歯科技工士教育協議会会長、
富野晃・日本歯科医師会副会長、古橋博美・日 本歯科技工士会会長、真木吉信・全国歯科衛生士教育協議会会長、
松村英雄・日本歯科医学 会副会長、安井利一・日本私立歯科大学協会副会長、
山口育子・ささえあい医療人権センタ ーCOML理事長。
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