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診療報酬軽視に疑義
投稿者:訪問歯科119番
本日は、中央社会保険医療協議会総会での中川副会長からの3つの苦言をご紹介します。
中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)で1月15日、日本医師会副会長の中川俊男氏は、
2014年度改定で、薬価・材料改定財源が診療報酬本体に充当させなかったことは「極めて遺憾」と述べるなど、
2014年度診療報酬改定の予算編成過程に対し、改めて苦言を呈した。
次回改定以降、今回のやり方が前例にならないよう釘を刺した上で、7対1入院基本料への締め付けで、200億円の削減が
既に予定されていることも、中医協の議論に制約が生じるとした。
さらに、消費税率の引き上げに伴う医療への公費充当分が、診療報酬が140億円であるのに対し、新設予定の「基金」
(医療提供体制の改革のための新たな財政支援制度。)は900億円に上ることに対し、「適切な組み合わせではない」
と指摘し、診療報酬軽視の姿勢を問題視した。
中川氏が述べた、3つの意見と要望は以下の通り。
第一に、近年の診療報酬改定においては、薬価材料等は、医療技術と不可分一体という観点から、その改定財源は、
本体改定財源に充てられてきた。過去最大の3.16%のマイナス改定となった2008年度改定においても、
(社会保障費の自然増抑制分の)マイナス2200億円が起点ではあったが、
薬価材料引き下げ分の国庫960億円が財源として計上された。このことは一定のルールであったはずだ。
今回、薬価引き下げ財源の1.36%が消費税率引き上げ対応分と相殺され、
本体改定財源にされなかったことは極めて遺憾。今回のことを非常事態という位置付けと認識し、
次回改定以降の改定においては、前例とはならないように厚労省を挙げて取り組んでもらいたい。
第二に、2010年度の予算編成では、編成段階で改定率を医科入院と医科入院外の比率を11対1と決められた。
その結果、その後の中医協の議論が限定されてしまったと思う。 今回の予算編成でも、
編成段階で7対1入院基本料の見直しで公費200億円の削減が見積もられた。中医協の議論の結果として、
改定される事項を予算編成時で決定することは極力避けてもらいたい。
第三に、2014年度改定の基本方針の中に、「診療報酬と補助金の適切な組み合わせ」と記載されているが、
今回は公費ベースで見ると、診療報酬改定は140億円、補助金900億円であり、これが適切な組み合わせか。
到底適切だとは言えない。
むしろ社会保障給付費の国庫負担財源が足りないという消費税率引き上げの趣旨から言うと、
診療報酬が優位であるべきだと思う。
以上。
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