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認知症への対応は“義歯がカギ”
投稿者:訪問歯科119番
認知症と歯科の関係について、山本龍生・神奈川歯科大准教授らのグループが 2012 年3月、
『アメリカ心身医学会雑誌』に発表した論文が注目されている。
今年7月に行われたNPO法人「ハート・リング運動」の設立記念シンポジウムで、
同運動共同代表の大久保満男・日本歯科医師会会長が、紹介したことで、
関係者からのその内容がクローズアップされているようだ。
厚生労働省によれば、全国の 65 歳以上の高齢者について、認知症有病率推定値 15%、
認知症有病者数約 439 万人と推計(平成 22 年)。
さらに、介護保険制度を利用している認知症高齢者は約 280 万人(平成 22 年)に及んでいるが、
こうした現状への対応が求められている。
注目の内容は、「愛知老年学的評価研究(AGES)」という疫学研究からのもで、概略説明すると、
65 歳以上の健常者 4425 人に歯や口の中の状態を選択肢から自分で選んでもらい、
その後4年間、認知症を伴う要介護認定を受けたかどうか追跡。
結果、年齢、治療疾患の有無や生活習慣などに関わらず、歯がほとんどなくて義歯を使用していない人は、
20 本以上歯が残っている人より、有意に認知症による要介護認定を受けた頻度が高く、
そのリスクは 1.85倍(95%信頼区間は 1.04 倍から 3.31 倍の間)にも上るというもの。
関係者は、認知症の人に歯が少ないことは知られていたが、認知症の結果、歯の手入れができなくなって
歯が失われるのか、歯がないから認知症になりやすいのかは不明であった。
それを今回調査したところ、義歯がカギを握っているという結果になったという。時間の経過と共に認知症に
なった人の割合を追いかけたもので、一目瞭然、義歯を使っていない人だけがその割合が高くなっている。
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