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第3回がん診療提供体制のあり方に関する検討会

投稿者:訪問歯科119番

 

第3回がん診療提供体制のあり方に関する検討会が厚労省で開催されました。

今回は、①今後のがん診療提供体制について、②がん診療連携拠点病院等の要件についてなどが

議論されました。

特に歯科に関しての論点・意見では、がん診療連携拠点病院等の要件について論議された中で、

拠点病院の要件を基本計画の内容を踏まえて見直す場合の問題とし、

「新しい分野」として、“口腔ケア”、“栄養管理”、“リハビリテーション”、“臨床研究等”が提示され

各委員から意見が出されました。
ただ一人発言した田村和夫・福岡大学医学部教授は、「口腔ケアの重要性は、臨床現場から指摘されていますし、

関連する研究発表が続いています。周術期の口腔ケアの効果は、広く理解されています。

歯科医師との連携が必須な状況になっています」と述べ委員に理解を求められました。
検討会終了後、オクネットが改めて口腔ケアについて尋ねると、

「私の専門は、腫瘍・血液・内科の感染症分野ですから、人間にとって摂食・排拙は大事なことは

十分理解していますので、当然ながら口腔ケアの重要性は以前から指摘していました」と述べていたが、

再度、「随分と歯科への理解をいただいているのですが、医科の立場先生からの発言に、

歯科としては援護射撃を受けたように思ったのですが」と問いかけると、

「実は、地元の福岡県歯科医師会との関係があり、非常に協力・理解をしていただいています。

拠点病院として、口腔ケアへの認識も随分変わってきていいますが、さらに理解が必要です」と述べていました。

 

 

福岡大学教授:田村先生のお話をお伝えします。

同氏は、「歯科医師の先生方には、さらに頑張ってほしいと思うのですが、

一方で、医科の先生方の理解が少ないのも事実です。

医科歯科連携が問われていますので、相互の立場で“口腔ケア”の共通認識を持つ必要があるようです」

と改めて歯科への期待を寄せていました。
検討会で行なわれたその他の議論では、「がん診療連携拠点病院の整備の趣旨」、

「拠点病院およびそれを取り巻く現状と課題」、「今後のがん診療提供体制のあり方について」などが

議論されたが事務局からは「議論していただく目的は、まず、全国に拠点病院が指定されていますが、

未だに 113 の医療圏で拠点病院が整備されていない現実があり、全国の均てん化を図るための意見集約を

したいと考えています」と指摘したうえで、まず拠点病院を整備する前提として、

以下のように要旨を説明しました。

 

①全国どこでも質の高いがん医療を提供することを目的としていて、平成 13 年よりがん診療連携拠点病院を

すべての2次医療圏に原則1つ整備することを目的とした結果、現在、397の医療機関が指定されている。

平成 18 年より、各都道府県の拠点病院のとりまとめ役として、

都道府県に原則1ヶ所の都道府県がん診療連携拠点病院を指定しており、拠点病院のうち 51の医療機関が

都道府県拠点病院として指定されている。

 

これらを踏まえ、委員からは次のような意見が出された。「医師会の協力を得ている地域では、

連携がうまくいっていると思われるので、この点も含めた議論をすべきではないか」

「拠点病院と都道府県拠点病院があるが、患者からすれば違いがわかり難いのではないか。

このように患者視点を確保すべきだと思う」

「拠点病院には、地域事情を最も理解している都道府 県からの報告を受ける形が望ましいのではないか」

「拠点病院の要件に合致しなくても、特定のがん種に対しての高度な医療を提供している医療機関の位置づけを検討すべき」等。

「人材配置」「診療実績をより具体的に要件とするか」に関しても意見がありました。

 

 

今後の予定について、厚労省担当事務局から「今回の意見を踏まえて、具体的な細部にわたっての議論を、

今後設置されるワーキンググループ(WG)の中で行い、親会議であるこのがん診療提供体制のあり方に

関する検討会にまとめを報告していただくことにしたい」と説明がありました。
歯系委員がいない検討会などでの歯科的発言は、医科の代表者が歯科の意を踏まえた発言を

することが期待されるが、現実的には難しいのが実情。こうした中で、今回のように医科の委員が、

明確に発言されたことは大きな意味があり、歯科の分野に理解のある他科の専門家との関係を広く強化することが

歯科側にさらに求められます。

 

【今回出席委員】

座長=北島政樹・国際医療福祉大学学長、今村聡・日本医師会副会長、

緒方真子・神奈川県立がんセンター患者会「コスモス」代表世話人、鈴木淳・宮城県健康福祉部次長、

篠道弘・静岡県立がんセンター薬剤部長、神野正博・全日本病院協会副会長、

田村和夫:福岡大学感染症内科学教授、西山正彦・群馬大学病態薬理学教授、

中川恵一・東大付属病院放射線科准教授、堀田知光・国立がん研究センター理事長、

横山晶・新潟県立がんセンター新潟病院院長、

古川幸伸・国立病院機構呉医療センター中国がんセンター外科系診療部長。

 

今回の検討会で医科・歯科連携の重要性が改めて見直されたようです。

今後は、死亡原因に多いとされる、がんなどの病気にかかわる検討会に歯科医療関係者が

参加できる環境が必要だと感じます。

 

 

 

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